矯正歯科、どこで受けるか迷っていませんか?
日本橋歯ならび矯正歯科の院長、松浦です。矯正歯科をこれから探す方から、「専門の医院と、いつもの歯医者さんとで何が違うのか」「認定医とは何か」というご質問をいただくことがあります。医院を選ぶときの見方を整理しました。
矯正は、矯正を専門に行う医院でも、一般歯科で矯正も扱う医院でも受けられます。どちらにも特徴があるため、「矯正をどのくらい行っているか」「担当医が治療期間を通じて一貫するか」「検査・診断の内容」「複数の治療法を比較提示してくれるか」を確認するとよいでしょう。日本矯正歯科学会の認定医などの資格は、確認の手がかりのひとつになります。
この記事では、次のことをお伝えします。
- 「矯正歯科専門」と「一般歯科で矯正も行う」の違い
- 「矯正歯科」という診療科名について
- 「認定医」「臨床指導医(旧・専門医)」とは/機構認定の専門医との違い
- 資格の調べ方
- 矯正歯科を選ぶときに確認したい6つのポイント
- よくあるご質問(FAQ)

1.「矯正歯科専門」と「一般歯科で矯正も行う」の違い
矯正治療は、矯正を専門に行う医院でも、むし歯や歯周病なども診る一般歯科でも受けられます。それぞれの一般的な特徴を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 矯正を専門に行う医院(一般的な傾向) | 一般歯科で矯正も行う医院(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 診療の中心 | 矯正治療が中心 | むし歯・歯周病などの治療と並行して矯正も行う |
| むし歯治療などとの連携 | 必要に応じて他院と連携することが多い | 同じ医院内で対応できることがある |
| 矯正の担当医 | 矯正を担当する歯科医師が対応 | 矯正の診療日が限られていたり、非常勤の歯科医師が担当したりすることがある(医院による) |
| 取り扱う装置 | 複数の装置を扱っていることが多い | 医院によって異なる |
いずれも医院によって異なり、どちらが優れているというものではありません。ご自身の通いやすさや、治療中にむし歯の治療が必要になったときの対応なども含めて検討するとよいでしょう。
2.「矯正歯科」という診療科名について
「矯正歯科」は、医療法で広告が認められている診療科名のひとつです。医院はこの科名を掲げることができます。
ただし、「矯正歯科」と掲げていること自体が、専門的な研修を受けているかどうかや、矯正の診療実績を示すものではありません。科名だけでなく、後述する資格や、検査・診断の内容もあわせて確認することが役立ちます。
3.「認定医」と「臨床指導医(旧・専門医)」とは
矯正歯科に関する資格として広く知られているのが、日本矯正歯科学会の資格です。学会の資格は、「認定医」と、その上位にあたる「臨床指導医」の2段階になっています。
- 認定医:学会に一定期間所属し、定められた研修を受け、規定の症例を提出して審査に合格した歯科医師に与えられる資格とされています。一定期間ごとの更新があります。
- 臨床指導医(旧称:専門医):認定医のうち、さらに多くの症例や経験を積み、追加の審査を経た歯科医師に与えられる資格とされています。かつては「専門医」という名称で呼ばれていました。
臨床指導医のうち、研修の指導的な役割を担う立場を「指導医」と呼びます。資格の詳しい要件は、日本矯正歯科学会が公表している資料をご確認ください。
「日本歯科専門医機構」の矯正歯科専門医は別の制度です
2024年9月からは、日本歯科専門医機構(厚生労働省が関わる第三者機構で、日本矯正歯科学会とは別の団体)が認定する「矯正歯科専門医」という資格制度も始まっています。名称は似ていますが、日本矯正歯科学会の「臨床指導医(旧・専門医)」とは別の制度です。医院の表示を見るときは、どの団体の資格かをあわせて確認するとよいでしょう。
これらの資格は経験や研修の一定の目安になりますが、資格があれば必ず同じ結果になるというものではありません。
4. 資格の調べ方
- 日本矯正歯科学会のウェブサイトで、認定医・臨床指導医の名簿が公開されています。担当医の氏名で確認できます。
- 日本歯科専門医機構の矯正歯科専門医についても、機構のウェブサイトで確認できます。
- 医院のウェブサイトに、資格の種類(どの団体の資格か)と取得年が記載されていることがあります。
- カウンセリングの際に、担当医の資格や矯正治療の経験について質問することもできます。
5. 矯正歯科を選ぶときに確認したい6つのポイント
① 矯正をどのくらい行っているか
矯正の診療日や、矯正を担当する歯科医師が常勤か非常勤かは、医院によって異なります。通院のたびに同じ体制で診てもらえるかを確認しておくとよいでしょう。
② 担当医が治療期間を通じて一貫するか
矯正は数年にわたることが多い治療です。途中で担当医が代わる可能性があるか、代わる場合の引き継ぎはどうなるかを確認しておきましょう。
③ 精密検査・診断の内容と説明
レントゲンや歯型などの検査結果をもとに、「なぜこの治療計画なのか」を説明してくれるかどうかは、安心して治療を進めるうえで大切です。
④ 複数の治療法を比較提示してくれるか
1つの方法だけを勧めるのではなく、選択肢と、それぞれの長所・短所、リスクを説明したうえで一緒に決めてくれるかを確認しましょう。
⑤ セカンドオピニオン・転院への対応
ほかの医院の意見も聞きたいとき、転勤などで通院を続けられなくなったときに、どのように対応してもらえるかを確認しておくと安心です。
⑥ 通いやすさと費用の分かりやすさ
通院頻度、診療時間、アクセスが生活に合っているかを確認しましょう。費用については、表示されている金額が何を含むのか、追加費用が開示されているかを確認するとよいでしょう。
6. 矯正治療で知っておきたいリスク・副作用
どの医院で受ける場合も、矯正治療には次のようなリスク・副作用が知られています。治療を始める前に説明を受けておきましょう。
- 装置を付けた後や調整後の数日間、歯の痛みや違和感が出ることがあります。
- 装置が粘膜に当たり、口内炎ができることがあります。
- 歯みがきがしにくくなり、むし歯や歯ぐきの炎症が起こりやすくなることがあります。
- 治療の経過で、歯の根が短くなる(歯根吸収)ことがあります。まれに歯の神経が弱ってしまうことがあります。
- 装置を外した後、歯が元の位置に戻ろうとする(後戻り)ことがあります。保定が必要です。
- 顎の関節に症状が出ることや、当初の計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びることがあります。
7. よくあるご質問(FAQ)
Q. 一般歯科でも矯正はできますか?
A. 歯科医師免許があれば矯正治療を行うことができます。医院によって、矯正をどのくらいの頻度で行っているか、矯正を担当する歯科医師が常勤か非常勤かなどは異なります。
Q.「矯正歯科」と「歯科矯正」は違うのですか?
A.「矯正歯科」は、医療法で広告が認められている診療科名のひとつです。「歯科矯正」は治療の内容を指す一般的な言い方で、明確な区別はありません。診療科名として「矯正歯科」を掲げていること自体が、専門的な研修を受けているかどうかを示すものではありません。
Q.「認定医」と「臨床指導医」はどう違いますか?「専門医」という資格もありますか?
A. 日本矯正歯科学会の資格は「認定医」と、その上位の「臨床指導医」の2段階です。臨床指導医は、かつて「専門医」と呼ばれていた資格です。求められる所属期間・研修・症例数・審査の内容が異なるとされています。なお、2024年9月からは、これとは別に、日本歯科専門医機構が認定する「矯正歯科専門医」という資格制度も始まっています。名称が似ているため、どの団体の資格かをあわせて確認するとよいでしょう。
Q. 担当医が認定医かどうかは、どうやって調べられますか?
A. 日本矯正歯科学会のウェブサイトで、認定医の名簿が公開されています。医院のサイトに資格と取得年が記載されていることもあります。
Q. 矯正の相談は、何院かで受けてもよいのでしょうか?
A. 契約前のカウンセリングを複数の医院で受け、説明の分かりやすさや治療方針を比べることは一般的に行われています。
Q. 一般歯科で矯正を始めましたが、専門の医院に移ることはできますか?
A. 治療の途中で医院を変える(転院する)ことは可能な場合があります。ただし、装置の種類や治療の進み具合によって、対応や費用は変わります。まずは検査で現在の状態を確認する必要があります。
Q. 認定医であれば、どこで受けても同じ結果になりますか?
A. 資格は経験や研修の一定の目安になりますが、歯並びやかみ合わせの状態は一人ひとり異なり、治療の内容や結果には個人差があります。資格だけでなく、検査・診断の説明や治療方針の考え方もあわせて確認することをおすすめします。
8. まとめ
- 矯正は、矯正を専門に行う医院でも、一般歯科で矯正も扱う医院でも受けられます。どちらが優れているというものではありません。
- 「矯正歯科」という診療科名を掲げていること自体は、専門的な研修の有無を示すものではありません。
- 日本矯正歯科学会の資格は「認定医」と、その上位の「臨床指導医(旧・専門医)」の2段階です。これとは別に、2024年9月から日本歯科専門医機構が認定する「矯正歯科専門医」という制度も始まっています。どの団体の資格かをあわせて確認しましょう。資格があれば必ず同じ結果になるわけではありません。
- 医院選びでは、①矯正をどのくらい行っているか ②担当医が一貫するか ③検査・診断の内容と説明 ④複数の治療法の比較提示 ⑤セカンドオピニオン・転院への対応 ⑥通いやすさと費用の分かりやすさ、を確認しましょう。
- 矯正治療には、痛みや違和感、むし歯リスクの上昇、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用があります。始める前に説明を受けましょう。
この記事を書いた人

松浦 彰子(まつうら あやこ)/日本橋歯ならび矯正歯科 院長
- 日本矯正歯科学会 認定医(2014年取得)
- 2008年 日本歯科大学 卒業
- 2009年 東京歯科大学矯正歯科 入局
- 2016年 都内近県の複数の矯正専門クリニックにて、舌側矯正・マウスピース矯正の診療に従事
- 2026年2月 日本橋歯ならび矯正歯科 開院
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