ワイヤー矯正中に装置が外れたらどうする?原因・対処法・予防策を解説

ORTHODONTIC COLUMN

ワイヤー矯正中に装置が外れたらどうする?原因・対処法・予防策を解説

「ブラケットが取れてしまった」「ワイヤーが奥歯の後ろから刺さって痛い」こんな時はどうしたらいいの?

ワイヤー矯正中に装置が外れたりずれたりすることは珍しくありませんが、放置すると歯が計画通りに動かなかったり、お口の中を傷つける原因になります。

この記事でわかること

  • ワイヤー矯正の装置が外れる主な原因
  • 装置が外れたまま放置するリスクと後戻り
  • 【部位別】ブラケット・ワイヤー・ゴムが外れたときの正しい対処法
  • 日常生活で装置を外れにくくする予防のポイント

CAUSES

ワイヤー矯正の装置が外れる主な原因

矯正装置は、治療が終わるときに綺麗に取り外すことを前提にしているため、歯を傷めずに外せる一定の強度で接着されています。 そのため、治療期間中に強い力が加わると外れてしまうことも珍しくありません。

硬いものや粘着性の高いものを噛んだ

せんべい、ナッツ、硬い肉などを強く噛むと、ブラケットやワイヤーに許容以上の負荷がかかり外れます。また、お餅やキャラメルのように粘着性の高い食べ物は装置に絡みついて引っ張る原因になります。

噛む力が強い・就寝中の食いしばり

食いしばりや歯ぎしりの癖がある方は、装置に日常的に強い負担がかかります。特に就寝中は無意識のため大きな力が加わりやすく、朝起きたらブラケットが外れていたというケースもあります。

歯並びや噛み合わせの影響

ディープバイト(噛み合わせが深い状態)などでは、上下の歯を噛み合わせた際に上の歯が下の装置に直接ぶつかってしまうことがあります。治療初期の段階では、特にこの干渉によって外れやすくなります。

RISK

装置が外れたまま放置するとどうなる?

「痛くないから」「1箇所だけだから」と外れた状態をそのままにしておくと、長期的には治療計画全体に悪影響を及ぼすことがあります。

歯並びの改善が遅れる(後戻り)

装置が外れた歯には適切な矯正力がかからなくなります。それだけでなく、動いていた歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を起こすため、全体の治療期間が大幅に長引く原因になります。

口腔内を傷つける・衛生環境の悪化

外れて遊んでしまったワイヤーの先端が頬の粘膜や歯ぐきに刺さると、激しい痛みや口内炎を引き起こします。また、緩んだ装置の隙間に食べカスが溜まり、むし歯や歯周病リスクが高まります。

EMERGENCY

【部位別】装置が外れたときの正しい対処法

万が一装置が外れてしまった場合は、慌てずに部位に応じた応急処置を行い、できるだけ早く当院へご連絡ください。

ブラケット

ブラケットが取れたとき

完全に外れてお口から出せる場合は、紛失しないようケースに保管して次回の診察時にお持ちください。ワイヤーに繋がったまま動く状態のときは、誤飲を防ぐために無理に引っ張らずそのままにしてください。

ワイヤー

ワイヤーが刺さるとき

奥歯の後ろからワイヤーの先が飛び出して粘膜に当たる場合は、お渡ししている「矯正用ワックス」を小さく丸めて装置の先端を覆ってください。ご自身でニッパー等で切ろうとする行為は粘膜を傷つけるため厳禁です。

結紮線

リガチャーワイヤー(結紮線)の脱落

ブラケットとメインワイヤーを固定している細い針金が解けてしまうと、固定が緩むだけでなく針金の先が唇に当たってチクチクと痛みます。ワックスで保護をして、お早めに締め直しをお申し付けください。

パワーチェーン

パワーチェーンが外れたとき

歯の隙間を閉じるためにかけるチェーン状のゴムが切れたり外れたりした場合は、ご自身で戻すことは困難です。次の調整日を待たずに、一度お電話等で受診のタイミングをご相談いただくのが安心です。

PREVENTION

装置が外れないようにする日常の予防策

日頃のちょっとした食事の工夫やケアの意識によって、装置トラブルの回数を最小限に抑えることが可能です。

  • 硬いもの・粘着性の食べ物を避ける:せんべい、硬いナッツ類は避け、リンゴや硬いお肉などは小さく一口大にナイフでカットしてから奥歯で噛むようにしましょう。
  • タフトブラシ・歯間ブラシを活用した丁寧な清掃:装置の周りに汚れを溜めないことで接着強度を保ちます。通常のブラッシングに加え補助清掃用具を取り入れましょう。
  • 無意識の癖を意識して直す:違和感があるからと、舌でブラケットを押し続けたり、指でワイヤーを弄ったりする習慣は装置を歪める原因になります。
  • 適切な通院スケジュールを守る:定期的に受診し、ワイヤーのたわみや固定状態をプロの目でチェック・調整することが最大の予防策です。

DOCTOR’S VIEW

トラブルへの対応において

ワイヤー矯正において、装置の外れは誰にでも起こり得る事象です。だからこそ、当院では患者さまがトラブル時に孤立して不安にならないよう、治療開始時に応急処置の方法(ワックスの塗布方法など)を徹底してレクチャーしています。

また、噛み合わせの干渉が原因で特定のブラケットが何度も外れてしまう患者さまに対しては、ただ再装着を繰り返すのではなく、一時的に噛み合わせを高くする処置(バイトターボの設置)を行うなど、原因を根本から見極めたリカバリーを行い、治療がスムーズに進むよう配慮しています。

FAQ

ワイヤー矯正のトラブルに関するよくある質問

装置が外れたら、次の予約日まで連絡しなくてもいいですか?

いいえ、外れた時点で一度ご連絡ください。数日であれば問題ないことも多いですが、次の予約まで数週間ある場合はその間に歯が意図しない方向へ動いてしまい、治療期間が延びてしまうリスクがあります。

取れてしまったブラケットを自分で瞬間接着剤でつけても大丈夫ですか?

絶対におやめください。市販の接着剤は口腔内での安全性が認められておらず、またブラケットの位置がコンマ数ミリずれるだけで歯が間違った方向に動いてしまいます。必ず歯科医院の専用器具で再装着を行います。

万が一、外れた装置やワイヤーを飲み込んでしまったら?

大半の小さなパーツは、万が一飲み込んでしまっても胃腸を傷つけることなく便と一緒に自然に排出されます。ただし、喉に引っかかっている感覚がある場合や、激しい咳き込み・腹痛がある場合は、速やかに内科等の医療機関を受診してください。

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